
炭酸ハウス
Architecture
滋賀県大津市
2022
滋賀県大津市にある鉄骨造のビルを、0~5 歳の小さな子ども3人を抱えるテキスタイルデザイナー夫婦の住宅兼アトリエに改修する計画。
古代の建築を復元考察するとき、遺構を分析すると同時に、壁画など当時の絵画資料を手がかりとしてその姿を思い描いていく。
ここでは彼らがデザインしたテキスタイルを絵画資料と見立て、その世界観やそこで行われる生活を読み解いて立体化するというある意味復元的な手法を用いて、彼らの作品と生活が一体となるような空間を設計した。
彼らが生み出すテキスタイルでは、日々の生活の風景が抽象化されつつテクスチャを持った要素に分解され、それらが再構成されて重なり合うことで全体として一つの風景へと統合されていく。
そこで、アイコニックな形状を反復し街並みのような風景をつくり、テキスタイルがその抽象的な空間を埋めるテクスチャとなるように構成した。
風景からテキスタイルが生まれ、そこから空間ができる。その中で生活をしながらまた新たなテキスタイルが生まれていくといった、お互いの作品を通じた呼応がこれからも続いていく。
テキスタイル:炭酸デザイン室
構造:鈴木一希
照明:DAISUKI LIGHT(大好真人)
写真:Yosuke Ohtake