Apologia

Architecture, Research

ティボリ

2015

五賢帝の一角を担う第14代ローマ皇帝ハドリアヌスは現存するパンテオンの建造者であり、旅する皇帝として知られている。このプロジェクトではローマ近郊ティヴォリに遺るハドリアヌスの別荘"ヴィッラ・アドリアーナ" を主な研究対象とする。
ヴィッラ・アドリアーナはハドリアヌスの旅の追憶を集めた私的な理想郷であり、建築的な実験場でもあった。しかし、今尚当時の姿を大部分遺すパンテオンとは異なり、ヴィッラ・アドリアーナは1900年弱の時の経過と盗 掘により現在は壁や屋根架構は大部分が崩落するなど半ば廃虚化してしまっている。
本研究では、まずハドリアヌス自身と彼による建築の分析を行い、そこから建築設計の手法の特徴を見出した。その上でその特徴がより如実に表れているヴィッラ・アドリアーナの主要五建築について詳しく分析し、現存しない屋根架構を主眼に再構成を行った。またヴィッラ・アドリアーナの全体を分析した結果から新たに二つの建築を計画した。さらに、それら全てを踏まえて、新たに現代におけるヴィッラ・アドリアーナとハドリアヌスのための美術館を計画した。

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