
立木の茶室
Architecture, Installation
滋賀県大津市立木観音
2015
滋賀県大津市にある「立木観音」は、弘法大師空海が42才の大厄の年に人々の厄難・厄病を祓うため立木に聖観世音菩薩を刻み、一宇の堂を建てて安置したと伝えられ、古くから厄よけ観音として広く親しまれているお寺である。
立木山開山1200年記念行事で、観音様と弘法大師に御茶を献上する法要の際の茶室で、屋外では裏千家による献茶式、半屋内の場所では台湾茶による献茶式を行えるようにしつらえを変えて展開できる設計とした。
茶器や茶筅を持ち運ぶ茶箱のようなこの茶室は各パーツを取り外すことができ、茶会の際には空間を腰壁のみにし、パーツを屏風や棚として置くこともできる。また寺内での展覧会を行う際には器やオブジェ、絵画を置く場所としても日常的に使える仕組みとしている。 材料には格子窓などの古材やラオスの和紙を用いることで、境内の環境と馴染み、経年変化を受け入れるものとした。