Cabinet of curiosities

Space Design

150年後の国宝展

東京国立博物館表慶館

2022

東京国立博物館の表慶館にて開催された「150年後の国宝展」における「学研の付録」の展示スペースのデザインと製作を行った。
 
「学研の科学」は戦後の子供たちの教育のための学習雑誌として始まり、1946年から2010年までの長期間に渡って発行され、2022年に復刊を果たした。その戦後の日本という時代は、高度経済成長と共に宇宙開発のニュースに人々が熱狂し、いわゆる三種の神器を始めとした様々な家電製品が身の回りに増え、科学というものが次々と新しいことを実現し、生活様式が変わっていった時代であった。
子どもたちにとっては科学=ワクワクするような未来であり、それを実際に体験できる「学研の付録」は多くの子どもたちを感化してその未来を邁進させ、現代の世界をつくってきたと言えるだろう。
 
そんな科学の付録を展示するにあたって、そのころに想い描いていたメタボリズムに代表されるような未来の都市や建築のようなエネルギッシュに増殖・展開していく棚をつくり、大航海時代に世界各国の珍品を集めて陳列した博物館の祖型でもある「驚異の部屋(Cabinet of curiosities)」のように「科学の付録」=未来の種を展示することで、科学という言葉の持つ今となってはどこかノスタルジックだが夢と希望に溢れた未来というイメージを、150年後の未来に向けて表現しようと考えた。
 
クライアント:Gakken(学研ホールディングス)、電通
製作協力:Ball (藤咲潤)

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